時代のかたすみで

「ロマンスカーミュージアム」に行ってきた

小田急電鉄鉄道博物館、「ロマンスカーミュージアム」に行ってきました。

本当はオープン当初に行きたかったけど、感染防止を踏まえて我慢してた。えらいえらい。

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海老名駅のすぐ隣です。

小田急線の海老名駅改札から約20秒。

入館料は大人900円です。

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券売機でチケットを購入して受付後、下に降ります

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モハ 1

1927~1960年

下に降りると、「モハ1形」が展示されています。

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現在の小田急電鉄の前身である、小田原急行鉄道の開業当時(1927年)に製造された車両です。

戦前の車両です。

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1959年に熊本電気鉄道へ譲渡され、1981年に同社から廃車を譲り受け、1984年に開業当時の状態に復元されました。

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奥に進むとロマンスカーがずらりと展示されています。

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この「ロマンスカー」という名前は、戦後の映画館や喫茶店などにあった2人掛け座席を「ロマンスシート」と呼んでいて、それを座席として導入したことが名前の由来とされているようです。


それでは左奥から紹介していきます。

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3000形 SE(Super Express)

1957~1992年

小田急の初代ロマンスカー

当時の狭軌鉄道の世界最高速度145km/hを出した車両。

この高速試験を日本国有鉄道(現在のJR)の線路で実施しました。

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SEの座席。

座席は座れないように手前に柵が設置されています。

写真では分かりづらいですが、座席が低くなっています。

これはスピードを出すために軽量化を図っているためです。

SEはリニューアルしたり、一部が復元されたりしてるので、全部が登場当時のままというわけではないそうです。

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ドアも低いです。

僕は身長が170cmあるんですが、ギリギリ通れるくらいです。

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3100形 NSE(New Super Express)

1963~1999年

小田急線で初めて展望席を導入した車両です。

1964年の東京オリンピックの開催が控えており、ロマンスカーの輸送力を上げる必要があため、この車両が造られました。

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乗客をできるだけ多く乗せるために、11両編成になっています。

SEは8両編成(1968年以降は5両編成)

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通常、運転席があるところに座席が設置されています。

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運転席はどこにあるかというと、上(二階)にあります。

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NSEの座席。

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後ろはさよなら運転の時の車両になっています。

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SEの後ろは「SSE」になっています。

SSEはSEとほぼ同じですが、連結器がついています。

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1968年以降に国鉄御殿場線への乗り入れのために改造されました。

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7000形 (Luxury Super Express)

1980~2018年

ロマンスカーで初めてリクライニングシートを導入した車両です。

SEやNSEでは、軽量化のために導入しなかったそうです。

残念ながら中には入れません。

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10000形 HiSE(High Super Express)

景色をよく見せるために、ハイデッカー構造にした車両です。

ハイデッカーとは、通常より床を高く配置することです。

HiSEの一部は長野電鉄に譲渡しており、今でも走っています。

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ハイデッカー構造のため、「バリアフリー」に対応できず、LSEよりも早く引退してしまった車両です。

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リクライニング機能はありませんが、すでにリクライニングした状態になっています。

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展望席があるロマンスカーの運転席は、客席の上にあります。

このドアを開けると梯子が出てきて、運転手さんはここから登っていきます。

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HiSEには初代SEから採用している「連接台車」の構造を見ることができます。

連接台車とは、車両と車両の間に台車を配置する構造のことをいいます。

連接台車のメリットとして、「発車・加速・停車時の前後揺動が少ないため、快適な乗り心地になる」などといったものが挙げられます。

デメリットとして、切り離す際にクレーンを使って車体を支える必要があるため、メンテナンスに手間がかかるそうです。

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また、通常の台車は「ガタンゴトン、ガタンゴトン」という音がしますが、連接台車では「ガタ、ガタ、ガタ」という音がします。

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20000形  RSE(Resort Super Express)

JR御殿場線への乗り入れのために製造された車両です。

小田急で初めて2階建ての客席を導入しました。

RSEの一部は富士急行に譲渡しており、現在も活躍しています。

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RSEの座席。

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ロマンスカーといえば、車内サービス

冷蔵庫やレンジも当時のままです。

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1階と2階で分かれています。

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2階はスーパーシートになっています。

実はこの車両もバリアフリー化に対応できなかったため、HiSEと同様に引退をせざるを得ませんでした。

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三列座席配置になっています。

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ひじ掛けの下にあるスイッチには「読書灯」、「コールボタン」、「呼び出し灯」などが設置されています。6インチの「テレビ」もあったそうですが、後に撤去されています。

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1階はコンパートメント席になっています。

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一人だけでも使用できたようですが、相席になる可能性があったようです。

4席分の料金を買って自分だけの部屋にする」みたいなことができたらしいです。

車両の紹介はここまで。

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次に進むと、小田急の歴史がまとめられています。

小田急の長年の夢(?)、「複々線化」の構想も描かれています。

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2階に上がると、ジオラマが展示されています。

新宿~小田原・箱根湯本まで再現されています。

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新宿周辺。

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箱根駅伝も再現されているという、徹底ぶり。

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ジオラマパークを抜けると、運転シミュレーターがあります。

運転台は本物のLSEを使っており、映像はラストランの時のらしいです。

人気のため、抽選式とのことです。

僕が行った時間はガラガラだったので、もしかしたら乗れたかもしれない。

 

この先には「キッズロマンスカーパーク」と売店の「TRAINS」がありますが、省略します。

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出口を出ると、ミュージアムクラブハウスというカフェがあります。

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何と言っても、特等席は窓側

海老名駅を走る電車を一望できます。

(埋まってたので、外から撮っています)

 

以上にて終わりです!

(※当ブログの写真は無断転載禁止です。)

・おまけ

売店で買ったものを紹介します。

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お土産です。

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ブレーキハンドル型 ボトルキャップオープナー

¥1,100

炭酸水のペットボトルのキャップにつけて開けると、「プシュー」と炭酸が抜ける音がするので、運転手の気分になれます。

あっ!これ、京都鉄道博物館のやつと同じだ!

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ロマンスカーミニチュア

¥500

展示されているロマンスカーミニチュアに。

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少し値段はお高めですが、なかなかのクオリティ。


入館料は大人900円ですが、それ以上の価値はあります。

「逆に1200円くらい取ってもいいんじゃないか」と思えてきます。

この入館料で小田急に貢献ができるんなら、何回でも行きますね、僕は。

小田急が好きな人、そうでない方も楽しめますよ。

是非一度、行ってみてほしいです!

 

現在、新型コロナウイルス感染防止を踏まえて「事前予約制」です。

予約なしでも入館(枠が空いている場合)できますが、なるべく予約してきてください。

ロマンスカーミュージアム 詳細

・入館料

  一般 団体(20名以上)
大人(中学生以上) 900円 800円
子供(小学生) 400円 300円
幼児(3歳以上) 100円 50円

・アクセス

-小田急新宿駅から海老名駅まで最速38分

-小田急小田原駅から海老名駅まで最速29分

-相鉄線横浜駅から海老名駅まで約30分

Google MAP

ロマンスカーミュージアム HP

参考文献

詳細図鑑 小田急ロマンスカーの車両技術(2018年 オーム社)

鉄道まるわかり 002 小田急電鉄のすべて(2018年 旅と鉄道編集部)

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