みなさんは「不発弾」というものをご存知ですか?
(最終更新日:2023年7月5日)
不発弾とは?
(出典:ニコニコ大百科)
第二次世界大戦中のものがまだ地中に眠っています。
沖縄では毎年20トンほどが自衛隊によって処理されています。
(出典:Wikipedia)
2018年に国内で処理した不発弾は1480件で、計約53トンです。この不発弾には米軍の物や旧日本軍のものも含まれています。
不発弾をすべて処理するには、約70年かかると言われています。
不発弾の処理方法
(イラスト:筆者)
爆弾には「信管」という起爆装置がついています。これがなんらかの原因で作動しなかったものを「不発弾」と呼びます。信管には「弾頭信管」と「弾底信管」の2つあります。この2つの信管を抜き、不発弾の安全化を図ります。信管を抜けば、よっぽどのことがない限りは爆発しません。
動かせないと判断されたものはその場で爆破処理されます。
(その際は土のうなどを積み上げて処理をします)
2020年4月26日、沖縄の那覇空港で不発弾が見つかりました。
つい最近の出来事です。
【#不発弾処理(その1)】
— 陸上自衛隊 第15旅団 (@jgsdf_15b_pr) 2020年4月25日
令和2年4月26日、#第15旅団 第101不発弾処理隊は、#沖縄県 #那覇空港 で発見された #不発弾 の現地安全化を行いました。
現地安全化とは、動かすと #爆発 する危険性がある不発弾を #警察 、 #消防 及び #自治体 と協力して発見現場にて処理をすることです。 pic.twitter.com/2QxL4aYBZN
【#不発弾処理(その2)】
— 陸上自衛隊 第15旅団 (@jgsdf_15b_pr) 2020年4月25日
#第15旅団 第101不発弾処理隊は、#沖縄県 #那覇空港 で発見された不発弾の現地安全化を行いました。
4月26日現在の不発弾処理実績は、38,068件(1,824トン)になります。
第15旅団は沖縄県民の皆様の #安全 ・ #安心 のため日々任務に邁進して参ります。 pic.twitter.com/D0k97VnsEs
こんなに大きいのがまだ残ってるなんて怖いですよね。
2019年には東京五輪の会場近くで...
去年の9月には東京オリンピック会場「有明テニスの森」の近くで発見されました。
【撤去済み】五輪競技場「有明テニスの森」近くの工事現場から不発弾https://t.co/Bdjlu0R7tS
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年9月16日
不発弾は長さ約1.2m、重さ約250kgで、第二次世界大戦当時のアメリカ軍の焼夷弾だという。 pic.twitter.com/PpHZzpNZnK
前置きが長くなりましたが...
今回は、自衛隊が行っている不発弾処理について解説していきます!
不発弾処理隊
自衛隊の不発弾処理隊は主に5つあります。
・第101不発弾処理隊:那覇駐屯地(第15旅団)
・第102不発弾処理隊:朝霞駐屯地
・第103不発弾処理隊:桂駐屯地
・第104不発弾処理隊:目達原駐屯地
・中央即応連隊爆発装置処理隊:宇都宮駐屯地
(出典:陸上自衛隊)
不発弾処理の手当ては?
(出典:陸上自衛隊 第15旅団)
さて、気になる手当です。
危険度によって異なりますが...
「危険度が高い作業の場合(信管除去など)」は、
最低日額1万400円※1支給され、
最大日額1万4200円※2支給されます。
※1...陸士長及び1等陸士の場合。
※2...2等陸尉の場合。
「危険度が低い作業の場合(捜索や発掘など)」は
日額750円が支給されます。
とても危険な仕事にもかかわらず低いですよね...
不発弾処理の手当ては、『「一万四千二百円を超えない範囲内で防衛大臣が定める額」は、自衛隊法施行規則第34条又は第35条の規定により指定されている階級に応じ...』にて、決まっています。
出典および引用:(防衛省職員給与施行細則)
不発弾処理の成功率
戦後(1958年)からずっと不発弾処理を行っている自衛隊ですが、成功率はどのくらいなのでしょうか。
成功率はなんと100%です!
ちなみに、信管を抜くことができるのは世界で自衛隊だけです。
とても頼もしいですよね。
(出典:自衛隊山形地方協力本部(公式))
不発弾処理を担当する職種
不発弾処理は「武器科」が担当しています。
武器科は他にも火器、車両、誘導武器、弾薬などの整備を行います。
不発弾処理という危険な仕事をするところですが、希望者が非常に多いそうです。
(出典:陸上自衛隊)
武器科のき章です。
火炎弾とスパナを組み合わせてかぶとに模したものです。
不発弾を見つけたら?
不発弾を見つけたら、絶対に触らないでください!
陸で見つけた場合は110番、海で見つけた場合は118番(海上保安庁)へ通報してください。
また、危険のため周りにいる人たちに近づかないように知らせてください。もちろんですが、ご自身も離れてください。
通報後は警察や自衛隊の指示に従ってください。
筆者が最後に言いたいこと
「自衛隊を好きになれ」だとか「自衛隊に入れ」とは言いません。ですが、自衛隊のことをよく知ってほしいのです。
こうして僕らが平和で安全に過ごせているのは、命がけで仕事をしている人たちがいるから、ということを忘れないでほしいのです。
~陸上自衛隊をもっと知りたい方へ~
陸上自衛隊のことを知りたい方は、埼玉県朝霞市にある「りっくんランド(陸上自衛隊広報センター)」へ。現在使用している装備品(戦車など)の展示や歴史などが学べます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
※この記事の情報は2020年現在のものです。
また、間違いなどがなりましたらコメントで教えてくださると幸いです。
陸上自衛隊 HP
りっくんランド
陸上自衛隊 職種紹介(武器科)
五輪会場近くに大戦中の不発弾
引用/画像出典(順不同)
・https://www.mod.go.jp/pco/yamagata/
・https://www.mod.go.jp/gsdf/wae/15b/15b/
(最終更新日:2023年7月5日)