皆さんは自衛隊にも「緊急自動車」があることを知っていますか?
そもそも緊急自動車(緊急車両)とは何なのか、またその定義は何なのでしょうか。
緊急自動車とは
(出典:Wikipedia)
緊急自動車(以下緊急車両という)と聞いて思い浮かぶのがパトカー、消防車、救急車ですよね。
緊急自動車の定義
(出典:チューリッヒ保険)
赤色灯(パトランプ)を灯火させてサイレンを鳴らしていれば、緊急車両として扱われます。
そんな緊急車両ですが、実は自衛隊にもあったことをご存知でしょうか?
今回はあまり知られていない、自衛隊の緊急車両を紹介します!
1.科学防護車
(出典:Wikipedia)
「科学防護」という名前が付いてますが、ちゃんとした意味があります。この車両は、サリンやVXガス、核兵器や原子炉事故による状況下などの汚染された地域において活動するための装甲車です。
この科学防護車は地下鉄サリン事件、福島第一原発事故などでも出動しています。
赤色灯を付けているので、灯火させれば緊急車両として扱われます。
2.NBC偵察車
(出典:陸自調査団)
科学防護車に似たような車両で、NBC偵察車というのがあります。
これも緊急車両の指定を受けています。
※NBC (核:N(Nuclear)・生物:B(Biological)・化学:C(Chemical))
3.不発弾処理隊
(出典:陸自調査団)
不発弾処理隊の車両です。(写真は1/2tトラックという車両)
沖縄に住んでいる方はよく見るのではないのでしょうか?沖縄にはまだ不発弾が残っています。発見されるたびに自衛隊が出動し、撤去をしています。
赤色灯を付けているので当然、赤色灯を灯火させれば緊急車両として扱われます。
もしサイレンを鳴らしてたら、必ず道を譲ってください!
(出典:陸自調査団)
無害化(撤去)された不発弾を積むトラックです。このトラックも緊急車両の指定を受けているようです。
(出典:陸自調査団)
訓練展示の様子です。落下させないよう、慎重に積みます。(写真は模擬不発弾)
4.警務隊(警務科)
(出典:Wikipedia)
自衛隊には警務隊という、自衛隊の警察があります。自衛隊内の犯罪等はこの警務隊が担当します。その他には保安職務や警護、道路交通統制なども行います。当然ながら逮捕もできます。
警察なのでパトカーもあります。1/2t トラックの白いバージョンです。(上写真)
(出典:Wikipedia)
ちなみに白バイもありますよ。
5. 1 1/2t救急車
(出典:陸自調査団)
1 1/2t救急車(1トン半救急車)は、その名の通り救急車です。自衛隊用語で「アンビ」とも呼ばれています。
※アンビュランス(救急車)
世にも珍しい緑色の救急車です。
(出典:陸自調査団)
担架が4つあり、座れば8名が収容できます。
自衛隊が訓練や戦闘等でけがをした際はこのアンビを使います。また、災害派遣で要請を受け、出動することもあります。
6.消防車(駐屯地用)
(出典:Wikipedia)
自衛隊の駐屯地や基地に配備されてる消防車です。
駐屯地内で火災があった場合、出動します。
また駐屯地周辺で火災があり、出動要請があった場合も出動することができます。
7.救難消防車
(出典:Wikipedia)
主に、飛行場があるところに配備されている消防車です。
陸海空自衛隊の各基地(駐屯地)に配備されています。
6で紹介した消防車同様、近くで火災があった場合は出動することができます。
実際に、4/16に百里基地の近くで火災があり、出動したようです。
【災害派遣実施状況】#第7航空団は 、昨日、#百里基地 近傍の #小美玉市 小川で火災が発生したことを認知したため、基地周辺自治体との協定に基づき、近傍災害派遣を実施しました。施設隊 #消防小隊 が出動し、消火活動を行い、無事鎮火しました。
— 航空自衛隊百里基地 (@jasdf_hyakuri) 2020年4月17日
(写真は訓練時のものです。) pic.twitter.com/tenNcrOnYI
以上が自衛隊の主な緊急車両です。
自衛隊にも緊急車両があったなんて驚きですよね。
今回紹介した車両がサイレンを鳴らしていたら、道を譲ってくださいね!
・追記
災害派遣などでは、赤色灯がなくても緊急車両として認められるようです。