8月22日(土)、横須賀基地で多用途支援艦「えんしゅう」という艦艇に乗艦しました。
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※撮影した写真はSNSにアップ禁止だったため、お借りした画像を使い、艦の説明などをしていきます。
多用途支援艦「えんしゅう」とは?
ひうち型多用途支援艦「えんしゅう」
(出典:Vessel And Ships Photo Gallery)
読み方は「たようと しえんかん」といい、「えんしゅう」は「ひうち型」の5番艦です。名前は「遠州灘」に由来しています。護衛艦(戦闘艦)ではないですが、護衛艦の訓練を支援をします。
「えんしゅう」性能要目
※よく分からない人は飛ばして構いません
えんしゅう(ひうち型多用途支援艦) | |
基準排水量 | 980トン |
満載排水量 | 1400トン |
全長 | 65.0 m |
最大幅 | 12.0 m |
深さ | 5.8 m |
吃水 | 3.5 m |
主機 | ディーゼルエンジン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 5000馬力 |
速力 | 17ノット (30km/h) |
乗員 | 47名(女性5名) |
兵装 | 12.7mm機関銃×2丁 |
搭載艇 | 6.3メートル級複合型作業艇×1隻 |
7.9m内火艇×1隻 | |
バラクーダ自走式水上標的×2隻 | |
レーダー | OPS-26 対水上捜索用×1基 |
その他 | 消防装置一式 |
艦艇曳航装置一式 | |
自走式水上標的・管制装置一式 | |
魚雷回収装置一式 |
乗員約50名という小型の艦艇ですが、色々とスゴイ艦なのです!
それでは説明していきます。
この多用途支援艦の役割は、主に4つあります。
1 | 航行不能になった艦船の曳航 |
2 | 射撃訓練の支援 |
3 | 物資輸送 |
4 | 災害派遣(物資を被災地に輸送) |
※曳航(えいこう)とは船を引っ張ること
1.曳航
故障などにより自走不能になった護衛艦などを、港やドックまで引っ張ります。
また、通常の護衛艦だけでなく、基準排水量が15倍近くある「いせ」などの大型の護衛艦も引っ張ることが可能です。
(出典:海上自衛隊 ホームページ)
いせ...13,950トン
えんしゅう...980トン
「いせ」の曳航の様子
(出典:海上自衛隊 横須賀地方隊)
※隊員の方の話によると、19,500トンの「いずも」も曳航ができるらしいです。
救難飛行艇 「US-2」
(出典:海上自衛隊 ホームページ)
自衛隊が世界に誇る、救難機。
「US-2」の曳航の様子
(出典:海上自衛隊 横須賀地方隊)
2.射撃訓練
標的を遠隔操作し、護衛艦の射撃の支援をします。
「自走式水上標的バラクーダ」
(出典:Vessel And Ships Photo Gallery)
※当てると壊れてしまうため、当てないように撃ちます。
3.物資輸送
(出典:Vessel And Ships Photo Gallery)
「えんしゅう」には後部に大きな甲板があります。
この甲板を活かして、多くの支援物資を輸送することができます。
※画像は同型艦「げんかい」
「デッキクレーン」
(出典:Vessel And Ships Photo Gallery)
このデッキクレーンを使い、迅速に積載できます。
搭載できる量はなんと31トンです!
また、2トントラックを4台まで輸送することができます。
このクレーンは「えんしゅう」の最大の特徴と言ってもいいでしょう。
4.災害派遣
物資を載せて、災害派遣や救難活動をすることができます。
大型の艦船だとタグボートが必要となりますが、この「えんしゅう」はタグボート無しで接岸することができます。
(出典:防衛省 海上自衛隊 ツイッター)
また、災害により港のクレーンが壊れていた場合、「えんしゅう」のデッキクレーンで港に物資を下すことができます。
※画像は同型艦「すおう」
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この4つが多用途支援艦の役割となっています!
戦闘艦と違い、あまり目立たない存在ですが、実は裏ではものすごい活躍をしています。
小型なのにもかかわらず、大型艦艇を引っ張れるスゴイ子なのです!
これを機に自衛隊に興味や関心を持ってくれたら幸いです。